2015年03月

W-Standard,Wonderland Lv.0(体験版) 感想

同人サークル「Circletempo」の「W-Standard,Wonderland Lv.0(体験版) 」をクリアしました。
ワンダブ

 このサークルの過去作に「MYTH」という作品があり、批評空間の体験版感想で絶賛している方がいて、いざ体験版をプレイしてみると途中でガラッと物語の根底を覆すような構成で夢中になった覚えがあります。文体、文章力さえシナリオに組み込んでいた作品に出会ったのは初めてかも。それで完成版も欲しくなり購入してプレイしてみると、複雑な構成と息もつかせぬ展開で放心しました。なにぶん、プレイしたのが8年前だし、複雑な構成と意味深な文章が多くてあんまり理解も出来ず、どんな話だったかも記憶が朧げですが、面白いシナリオの同人らしい良作だったと断言出来ます。(※批評空間では中央値84点)

 続編的位置づけの「MYTH -start/*/end-」という作品を制作するということで待ってはいたのですが、特に大きな動きがなく早数年。そして最近たまたまTwitterでMYTHを「SteamGreenlight」(いいねと投票しましょう!)に登録したというのがRTで回ってきて、RTして「-start/*/end-」まだですかと愚痴ったら、公式アカさんから一言頂いて新作体験版があると知ったのが今回の体験版プレイの経緯。

 まあ、下記のように「体験版レビューキャンペーン」を現在やっており、1stエピソード(製品版)『W-Standard,Wonderland Lv.1』をプレゼントというのに釣られてしまったのが一番大きいですがw
ダブワンキャンペーン

 でも実際にプレイしてみると、そんなキャンペーンが無くてもプレイして良かったと思うほど面白かったです。特に公式サイト見た感じだとファンタジー系で能力を使って謎解きとか冒険して泣ける家族話もあるよ的な勝手な想像をしていたのですが、まあ出るわ出るわ「MYTH」を彷彿とさせる描写が。グロもいっぱいありそうだし、これまた複雑な構成の世界観の謎解きはワクワクします。絵も綺麗だし、演出も目を見張る部分もあるので、この時点で興味出たなら先入観無しで体験版プレイするのが良いかと思います。それの方が色々驚けると思うので。
ガチなシナリオゲーです。




■ゲームプレイの印象とかダラダラと
 ゲーム起動した時点で「あ、コレはシナリオゲーかも」と思いました。雰囲気が公式サイトと剥離しすぎw このタイトル画面はエロゲだとYU-NO、RPGだとドラクエ的な感じでビックリ。導入から「上に昇らないと」とか意味深な示唆が。上とは2次元世界から3次元世界とかなのかしら。
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Tipsがあるのは驚きました。特殊用語とか説明するのには便利だし、結構採用する作品が増えてきてる印象。
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 でファンタジー作品でかつ「ギフト」なる特殊能力がある世界であることを確認し、進めて行くと……
きましたよ「神視編」なるものが!
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 このいきなりな2次元から3次元への切り替えは「MYTH」でもあってテンションダダ上がりですよ!しかも今回実写の動画なので余計臨場感が増しました(ちょっと酔うけどw) 「神視編」はイマイチどうゆう状況なのかも分からないし、「アトゥム」なる固有名詞が何を指すのか良く分かりません。主人公の「トト」、ポッケの本名が「ラー」なので、この「アトゥム」もエジプト神話の神を指しているのは確実だとは思うが…。Wiki見たら「後には太陽神ラーと習合してラー・アトゥム神となる。」とか書いているし、ポッケと融合したりするのだろうか…。

 ワンダーランド編に戻ると、アアルの塔という場所へ行った時の回想が。この時に下記のようなドラクエ的な演出あり。凝っているな…。この演出が単純な視覚的に楽しませる為のものなのか、それとも今後この世界が2次元的ゲーム世界だったとかの伏線だったりするのかと思ったりしました(深読み
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 ポッケのギフトは「ハンド・オブ・アトゥム」と判明。出ましたよ「アトゥム」。これでやっぱりラーとアトゥムになんらかの関係性があることは確定ですね。通称「神の手」と言われているので、アトゥムというキャラがいるのが「神視編」なので、3次元の神的存在の力とか? 他の様々な空間とリンクさせれるということは今後、ワンダーランド編へ他の世界から道具などを引っぱってこれるようになるのかも。
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 「神視編」に切り替わると良く分からない問答のあとにアトゥムが電車に引かれに行きましたよ…。意味分からん…。グロい…。でもそんな作品で嬉しいw
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 アアルの塔に再度探索へ行くということに。この時に出てきた歯車が大きなキーになりそう。ギアなる回想も集めれるようだし。ワンダーランド編は時計の無い世界のようで、「時間」が本作の重要なテーマになると思いました。「ラー」=「太陽」=太陽暦、「トト」=「月」=「太陰暦」と連想しますし。

謎の歯車をアアルの塔の時計の嵌めると動き出してしまう。この時の演出も中々ワクワクします。
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 異世界編へ。ここでは新たに考古学専攻の学者が古墳を調べるといった形で話が進みます。私達にとってはこっちの方が現在ぽいけど、異世界と記述するからには、あくまでメインはワンダーランド編であるような気がします。こちらの世界でも歯車が出てきます。この歯車を集めて「神視編」の世界に至るのが最終目的とかになるのでしょうか?
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そして異世界編の考古学者達が古墳でポッケ達を見つけて体験版終わり。
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 クリア後に回想や新たな「神視編」もあるのでこれらもプレイ。ギャク調な内容や、キャラの違った一面が楽しめました。「神視編」ではこの話の主観が妄想である可能性が高まりました。「アトゥム」なるキャラがいっぱい出てくるので正常ではないと思ってましたが。かつ最後の写真の引きから今までのが他人の物語を読んでいたのかも。まさしく神の視点で。これと他の世界とどう繋がるのかよく分かりませんね。「ワンダーランド編」と「異世界編」だけなら結構単純な構成で分かりやすいのですがね。


「総評」
 公式サイトを見ると明るい作風のように感じましたが、その実は入り組んだシナリオ構造、意味深な考察要素がたっぷりで大変楽しめました。また、シナリオに力が入っているとどうしてもキャラ達が駒のようになりがちですが、体験版クリア後のギアの回想でエバンナについてもただの暴力キャラでない一面もしっかり描いており、これによりキャラに愛着が湧き大変良かったです。
 そして、最も驚いたのが演出。「MYTH」のプレイ時はシナリオは特殊で良いけど、他の部分で結構不満があったのですが、本作はキャラ絵は良いわ、演出がコミカルでこれでもかと言うくらい色々動きがあって楽しいです。そして、その分「神視編」に変わった時にギャップが大きく飽きること無く読み進められます。
 「異世界編」での運転シーンとかド迫力物。別にあんな演出無くても良い部分なのに、妥協せず作り込む姿勢に拍手喝采です。このクオリティを維持して完成すれば間違い無く面白い作品になるでしょう。完成すれば買います。完全に「MYTH」購入と同じ流れですねw でもMYTHの体験版は長めでダレた部分も多かったので(ダレた後からのギャップが大きいからこそ衝撃も大きかったという面もありましたが)、こちらの方が展開も早くて単純に楽しめました。ぶっちゃけ「ワンダーランド編」のキャラだけでワイワイしてるだけでも面白そうです。こうゆう意欲的なシナリオ作品はやっぱり胸が踊ります。完成がいつになるか分かりませんが、今から超期待です。


「不満点」
・Tips見た後だと回想が出来ないのは最悪です。特にシナリオメインの作品だと前の会話について思い返したい時が多いので回想が見やすいように修正して欲しいところ。また、ギアを手に入れたと表示されてもそれをタイトルに戻らないと見に行けないのは、ちょっと不親切かもと感じました。

公式見ていたらちゃんとシステム改善されてました。私がDLしたのがミラーの為、そちらが古いままだったのかも。ともあれ、一番不満だった回想が直っているのは大変うれしいです。

「アルカディアの灯火」(75点)感想

Nostalgic Chord」の「アルカディアの灯火」をクリアしました。
アルカディアの灯火

 発売2日前にオフィシャルサイトが公開されるという急な告知でしたが、実績のあるライター2人1000円という安さでストーリーとか確認せずに購入しました。結果としてはコスパが大変良い作品で満足度が高かったです。(*´ω`*)

長文感想は投稿したのでこちらをどうぞ。

 私は前作の健速氏の「放課後の不適格者」が大変不満(感想)で、世間的な評価も大変低かったのでこのブランドは自然消滅するかと思っていたのですが、まさかの新作でした。このような短編作品は息抜きにもちょうど良いですし、好みから外れても懐があまり痛くないので今後はこの方向性で作品を作って欲しいです。

 どちらも楽しめましたが、特に早狩氏の作品の方が好みでした。「ゆきいろ」以外は全て氏の作品はプレイしているのですが現実的な人間の感情の機微を描くのが本当に上手いです。今作は異世界物なのでそこら辺どうなるかと思ってましたが、いつも通りの面白さが健在でした。

 約20年前に書いた氏の同人誌が元ネタのようです。入手は無理と思いますが、読めたら今作との違いを確かめてみたくなりますね。
早狩同人


 「COSMIC CUTE」の新作「love, VAMPIRE FLOWERS」(2015/5/29発売予定)も発表時は下記のようなホップな絵柄と内容に氏の作風と合わないのではと不安でしたが、今作でファンタジー世界でも持ち味を損なうことはなかったので俄然興味が湧いてきました。体験版が相当悪くなければ買うと思います。
love,VAMPIRE FLOWERS
プロフィール

たいき

Author:たいき
エロゲ、ノベルゲ好き。
シナリオ面白ければジャンルは問わず。

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