2015年06月

「フェアリーテイル・レクイエム」体験版感想(ネタバレあり)+考察メモ

「フェアリーテイル・レクイエム」体験版をプレイした。
フェアテイル

ストーリー
「舞台は、“お伽話症候群(フェアリーテイル・シンドローム)” の治療に特化した隔離病棟、通称 “楽園”。
フェアリーテイル・シンドロームとは、自らを童話の登場人物だと思い込む人格障害の一種であり、
入院患者たちは一様に “聖書” である童話絵本を抱え、その教えに従って生活していた。

アリス” は見えない兎を追いかけ、“ラプンツェル” は長い髪を窓から垂らし、
グレーテル” はボロを着て兄を探す。

オデット” は夜にのみ水辺に降り立ち、“ゲルダ” はカイを探しに行くために脱走を試みる。

それは童話から抜け出たというよりも、自らを役割の中に押し込めるような、どこか窮屈で痛々しい光景だった。

主人公はそんな童話少女たちの楽園に、不意に紛れ込んでしまった記憶喪失の少年。

なぜこの場所にいるのか、自分はどんな人物で何を成すべきだったのか、大事なことほど分からない。
かりそめの役割を得ている少女たちが羨ましく思えるほどに、寄る辺ない。

そんな折、彼の部屋で発見したスケッチブックには、乱れた筆跡でこんなことが書かれていた。

──少女たちの中にひとり、つみびとがいる。」(getchuサイトより)


Liar Softで童話とくれば未プレイだが真っ先に「Forest」が思い浮かぶ。
しかも今回の原画家も「大石竜子」氏で同じときたもんだ。

Forestと同じ方向性で作っても二番煎じになるのは明らかだし、
無名ライターが「星空めてお」氏を超えるテキストを描けるとは考えにくい。

だから、この新作発表の時は設定は好みだけど、クオリティ面でかなり疑ってかかっていた。



しかしながら体験版をプレイしてみると印象が変わった。
特に大きかったのが、想像以上に現実的な話だったこと。
もっと幻想が顕現したり、怪物や怪奇現象満載の物語かと思っていたので。
体験版以降にはそのような話になるかもだが、とりあえずは楽しめたのでよし。

こんな感じのリアル寄りのシーンがあるとは思ってもいなかった。

フェアテイル10  


感心したのがラプンツェルの髪で塔を登るシーン。

幻想的な原画なので、そのままよじ登ったと描いても普通に受け入れそうなところを、
現実的に可能かは別として力が分散しているから登れるということを示してくれた。
このような些細な部分だけど(勝手に)これは現実がしっかりベースにあると感じた。

フェアテイル12


また、童話はあんまり詳しくないから小ネタを楽しめないかなと思ってもしたが、
ゲーム中で原作の概略も紹介してくれるのでForestに比べてかなり敷居が低いのも良かった。

フェアテイル11

主人公も記憶喪失設定の為、世界観は特殊な設定ながら一緒になって混乱したり疑ったりと
感情移入しやすく、童話ネタがあっても他キャラや主人公自身が解説してくれるので楽しめる。


体験版範囲で既に1ヒロインが非処女であることも分かるし、
不穏な医者の行動などもあってNTR物的な雰囲気もあり緊張感がある。

ラプンツェルの夜に塔を登ってきた人は全員王子と誤認する設定とか催眠物的な背徳感もある。

テンプレのような学園モノも良いが、たまにはこういった先が本当に分からない作品をプレイしたくなる。
なにより伏線とか多そうなので、そこら辺の回収方法とかも楽しみ。

体験版後半ではまさかの推理ミステリ物展開になってまた驚いた。
どのヒロインを信じるとか、そんな選択肢が出てこようとはw

フェアテイル13

といった訳で大変楽しめたので購入確定で。
マスターアップ済なので予約待ったなし。

体験版範囲だけ出来が良い可能性もあるけど、テキストは少なくとも悪くないことを確認出来たし
大石氏の美麗なイラストとさっぽろももこ氏のBGMだけでも価値はある。
サントラ欲しいし



期待値低かったから余計テンション上がってきた。
是非ダークホース的作品となって欲しいところである。




考察用メモ。

●「つみびととは?」

主人公ではないだろうか。
得てしてこうゆう記憶喪失の主人公が全ての元凶であったりするので。
OPでもヒロインより真っ先にシルエットが出てくるしキーパーソンであることは間違いない(はず)。
主人公の妄想がこの世界である可能性もある。

フェアテイル1



「主人公の妹」
流れ的にOPの冒頭のこのCGは主人公と妹だろう。
2人で童話を読んでおり、周りにも膨大な本があることが伺える。
フェアテイル2 
主人公の発症の原因は妹の死と予想。
このCGを素直に受け取めれば、フェアリーテイル・シンドローム自体が
この兄妹どちらかが原因で発生したのではないかと考えてしまう。




●「チョコのお薬とは?」
チョコ型の薬で甘いようだが、実際どんな効用があるのか分かったもんではない。
逆に幻覚を強め、フェアリーテイル・シンドロームを進行させる目的がこの病院にあるのではないか。
フェアテイル3

また本当の薬ではなく錯覚を起こしてチョコに見えている可能性もある。
主人公も「カエルのホルマリン漬け」を錯覚しているので、フェアリーテイル・シンドローム発症は確実
しかし、発症中ならアリス・ゲルダが焼死体を正しく認識出来ない気もする。
逆に焼死体を認識出来たものは治りかけor虚偽の可能性がある。2人は本当に発症しているのか。
フェアテイル4



「アリスが主人公を必要以上に心配するがなぜか?」
顔見知りの可能性。発症する前に会ったことがある?
ハイイロネズミという呼称は意味があったりして。
前述した通りアリスは焼死体を見たと申告しているので、発症しておらず何らかの目的で潜入しているとか。
フェアテイル5



「黒い少女とは?」
体験版範囲では主人公の妹しか思いつかない。
主人公がなんらかの形で妹の死に関与しており、それがトラウマとなって発症したのか?
これはそれを責める自身の心象風景?
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主人公の掛かっているフェアリーテイル・シンドロームの題材は?」
これは「青い鳥」と予想。
フェアテイル7

OPの「小鳥が~♪」が印象的。
フェアテイル8
また、あまりマイナー童話を引っ張ってきても驚きが少なくなるので認知度的にも妥当かと。

童話で兄妹が出る作品で真っ先に思い浮かぶのが「ヘンゼルとグレーテル」か「青い鳥」だったので。
月光条例でも採用されていたし、幸せを探すというのは物語のテーマ的に扱いやすいのかも。

青い鳥ストーリー
「2人兄妹のチルチルとミチルが、夢の中で過去や未来の国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くが、結局のところそれは自分達に最も手近なところにある、鳥籠の中にあったという物語。」(wikiより


ヒロイン達の様々なお伽話に付き合っていく内に、主人公(チルチル)が妹の死を受け入れるようなストーリーだろうか。

題名に「レクイエム」とある為、妹の死はやはり確定?

フェアテイル9
オディール・オデットの部屋に鳥籠があったが何が入っているのか?たんなるオデットの寝床?青い鳥?

キョンシー✕タオシー体験版(三章前半(参話)まで)感想

電動伝奇堂キョンシー✕タオシー体験版(三章前半(参話)まで)をクリアした。


面白いし凄かった
という感想しか出ない。

この面白いってのは純粋に楽しいという意味。
面白い活劇漫画を読んだ気分にさせてくれる。

この作品を語る上で演出は欠かせない。
本当に凄くて驚いた。

【定期CM】 動く、とにかく動くめっちゃ動く!! フルボイス同人ノベルゲーム「キョンシー×タオシー」 体験版絶賛公開中。 http://t.co/spwrvjbq8Y #den2do_kyontao pic.twitter.com/xWA8KhpCaF
上記の通り「動く、とにかく動くめっちゃ動く!!」と謳っている通り、
超絶動くし演出のセンスがずば抜けている。


演出が凄いノベルゲームだと「マブラヴオルタ」「魔法使いの夜」「ef」などがパッと浮かぶ。
流石に上記の商業作品の絵のクオリティに敵う訳はないが、そのネタと演出の密度においては上回っている部分があると感じた。

プレイ中まったく立ち絵というものを意識することが無かった。
画面いっぱいにキャラを動かし、アイキャッチ・ネタを盛り込みまくって飽きることがない。

ノベルゲーをプレイしているというよりも漫画を読んでいる印象である。

ここのコラムにある通り「元々は某少年誌用に書かれたもの」とあり納得。

ルアンという少年が殺されキョンシーになって物語が始めるのだが、
実力ある殺し屋と言っていた割にあっさり殺されて拍子抜けした。

でも少年漫画の読み切りと考えれば王道中の王道展開だなと。

もうちょっと手詰まり感を出してから殺されたら個人的に良かったけど
あまり長くしてもテンポ悪くなるし、これだけ演出詰め込んでいるので
ある程度の長さにまとめるのが良いという判断だろう。(多分

漫画的と書いたけど、「Quartett!」のFFDシステムのような演出のみではなくアニメのアイキャッチや実際に動画も入れており動きを出している。

体験版プレイしたら凄さが分かるので是非DLして欲しい。

2015年6月21日現在は「最初から三章前半(参話)まで収録」の体験版を公開中!
1.44GB…。これだけでも演出にどれだけ力が入っているのか分かる。
プレイ時間一章20~30分、二章60~70分。三章前半30分。(公式より)
息抜きにもちょうど良い。


しかも今なら
「2015年、夏コミ前まで」に感想、レビュー、口コミを募集しており
夏コミで配布予定の『キョンシー×タオシー第二部』をデータ形式で無料ブレゼント企画中だ!
(こうゆう企画に弱い私)



同人ながら主人公含め主要キャラフルボイスってのも特筆物。
しかも棒声優ではなく、ちゃんとキャラにあった声で女性キャラの可愛いさも際立つ。

体験版はかなり良いところで終わるので続きが気になる。
ですろりに比べてグロさやエグさがかなり鳴りを潜め、良い意味で肩に力を入れず楽しめる作品。

こんな初っ端から全力で演出に力入れて後半息切れしないか本気で心配になるが、
是非このクオリティを維持して完結までいって欲しいものだ。


興味持ってもらう為、下記にほんの一部分のキャプチャを貼っておく。