ChronoBox -クロノボックス- 体験版ver1、ver2感想&考察

「2017/5/30追記 本編クリアしました。完成度高いゲームでした。感想記事」
「屍ね-」というインパクトあるキャッチコピーと独特な設定、また「駄作」のライターさんの新作ということで興味があったが、体験版ver1がブラウザ版しか無かったので、プレイは躊躇していた。
しかし、下記のライターさんの呟きがあったからことから一気に興味が沸いた。
クロノボックスの話。体験版第1弾公開から1か月程経ちまして、最後の仕掛けを見つけた人も増えてきた頃でしょうか。ああいうのは誰かに教えてもらったりネットで知らされたりするよりも自分で見つけるのが一番楽しいと思うので、本編プレイの際は是非自分の力で色んなギミックに気付いてくださいな。 pic.twitter.com/yx5Hge1AU0
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月23日
つまり何が言いたいかっていうと、このゲーム、ネタバレされたら絶対つまらないし、体験版の段階で情報戦は始まっていますよって事です。本編の仕掛けを体験版の段階で一部分だけ味わえるように意図して書きましたので、疑問点は出来る限り見落とさず、知恵を絞ってその答えを考えてみてください。
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月23日
答えどころかこちらが用意した仕掛けにすら気付かないと、発売まできっと退屈だと思います。だからこそ違和感に気付いて欲しいのですが……だったら制作者がそれを隠すようなマネするなよって話ですが、ユーザー様の『それを見つける快感』を奪いたくない一心です。
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月23日
色々気付いて! 変なとこあるよ! pic.twitter.com/TYzGB4VzTL
ここまで言われて興味が沸かない訳がない!
「ほう、じゃあその違和感っていう奴を自分で見つけてやろうじゃないか!」
と思ってしまった。(チョロい
それでプレイしたのだが、体験版ver1、ver2にそれぞれ1時間いかないくらいのコンパクトなもので気軽に出来た。
しかし、その情報量の密度、素材の多さは中々のもので大変楽しめた。
そして一番面白いのがvre1、ver2共に隠し要素があるということ。
Ver1は体験版内で楽しめ。
ver2は体験版内にて公式サイトのSecretコードのヒントがある。


当たり前だけどver1→ver2の順番でプレイするように。
これを自分で見つけると達成感があるし気持ちが良い。
それを短い時間の体験版内で仕込んできた試みも大変面白い。
ふふふ…。コードキーにかんしては、相当難易度が高い気が……。私はさすがにライターとして作品の秘密や情報が全て頭の中に入っているおかげで突破出来たけど……これすぐわかったユーザー何者なんでしょ。
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月29日
挑まれる方は、覚悟してお考えになる事をお勧めします。
私は1回目はパッと頭に思いついたの入れて間違えて、2回目で確信を持って入力して正解しましたよ!
公式Twitterが発信したヒントも見てないよ!(自慢
体験版は当然無料なので、こういったギミックが好きな人は是非とも挑んでみてはいかがだろうか?
体験版の内容は大雑把に言うとver1では天使島という孤島にある「EDEN」という学園に通う主人公達がいて、そこに転校生がきて歓迎会を開こうという流れ。
Ver2では「志依」というキャラに焦点を当ててエロゲー的な流れでエロまで…。といった感じ。
しかし、その平和な生活の中で色々違和感が…。
最後に現れる黒い箱…。
今更だけど原画家さんってたまソフトの「LOST CHILD」「永遠の終わりに」の方だったのね。


塗りがエロゲ寄りだったので全然気づかなかった。どっちの塗りも好き。
体験版プレイ前のキャラ紹介見た時には結構のっぺりしていて表情乏しいような印象を受けたけど、
プレイしてみると表情差分多いし、細かく動いたりして活き活きしていた。
やっぱ動作しているところ見ないと分からないもんだ。
自分が気に入ったキャラは「叶深霍(かなみ にわか)」


何この可愛い生き物…。愛玩動物。
声優さんの声も好き。
でも作風としてはこの娘も悲惨な目に合うのだろうなー(達観
「駄作」は未プレイなのでクロノボックス発売までにプレイしたいところ。
そしてクロノボックスは駄作の個人的なリベンジだったりします。当時は色んな大人の事情や自分の力量不足で出来なかった事を、クロノボックスにぶつけています。全然違う世界の作品ですが、セルフオマージュみたいな形で書きました。両作とも、私の大切な子供で、大切な青春で、大切な通過点です。 pic.twitter.com/MiMBtLjIZ3
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月30日
ということで「クロノボックス」は発売楽しみだ。
体験版ver3もあるようなので、次回はどんな仕掛けを入れてくるか…。
これは立派だと思うしカッコいいと思うし、だから私はりょーちんDが大好きなんですが、でもまあこの覚悟を立派とかカッコいいとか評すほど情けない事はないって思うわけです。延期しないって出来て当然だし、逆に言えば他の人は延期で自分の首が飛ぶ覚悟なんて無しに物作りしてるって事なのかしら。 https://t.co/5zw397Ez6L
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月24日
ライター、ディレクター間も信頼関係あるようだし良い作品が出来そう。
また、絶対に延期するなとまでは言わないが、こういった気概で製作してくれていると応援したくなる。
エロゲ業界ほいほい気軽に延期しすぎ…。
「続き」は私の考察&違和感。
体験版未プレイな人は自分で違和感探した方が絶対楽しいので、出来れば見ないほうが良いかと。
■クリアすると反転する文字
タイトル画面の右下部分の「TRIAL VER.」についてクリア後は反転していた。Ver1でも同様。

これはプレイ前はまだ「黒の箱」を開いていないので反転しないが、箱を開いてクリアしたことで箱の内側(真実?)に入ったことの暗喩かと。
■登場人物達について
まず名前が普通じゃない人ばかり過ぎる…。
単純に内容がエグい為に同じ名前の人がいて不快に思わないように奇抜な名前にしたのか。
それともシナリオにがっつり名前も意味を持ってくるのか…。
あとは男女比構成が歪。
エロゲだからといえばそれまでだけど、現在のところ立ち絵ある人物は主人公含めて17名で内訳は男性4名、女性13名。
あまりに差がありすぎる…。
個人的にはあと2~3人は男性多くても良かったな。
「犯人」がいる作品だからなおさら。
それともこの女性が多い理由(人口的な遺伝子操作で女性が生まれやすい、女性に発現が多い病気の収容施設だから)などあるのだろうか(深読み
■登場人物達の番号について
四十九 筮(つるし うらな) 0051
羽瀬 久次来(はせ くじき) 0052
フーカ・マリネット 0053
姫市 天美(ひめじ あまみ) 0054
木ノ葉まころ(きのは まころ) 0057
高梨子 小鳥(たかなし ことり) 0058
飯槻 メガ(いいづき めが) 0060
由芙院 御伽(ゆふいん おとぎ) 0061
夛里耶 猶猶(たりや なおなお) 0062
彬白 夜々萌(すぎしら ややも) 0068
叶深 霍(かなみ にわか) 0070
安楽村 晦(あらむら みそか) 0084
玖塚 つつじ子(くつか つつじこ) 0085
玖塚 あざみ子(くつか あざみこ) 0086
黒蝶沼 志依(こくちょうぬま しえ)0100
屍(かばね) 不明
期招来 那由太(きまねき なゆた) 不明
特に法則性が分からない…。
五十音順でもなし。
そもそも登場人物唯一の先輩キャラである「彬白夜々萌」が「68」ということで学園での在籍番号などという単純なものでないのは確実。
「奇数」「偶数」で男女別れているかとも思ったがそういったこともなし。
気になるのが最小数字が「51」ということ。
それまでの50人弱はどこいったよ…。
51~100までしかいないので、何かの2期目での入学?
区切りとしては1期で1~50、2期で51~100。
また、黒蝶沼志依だけが一気に番号飛んでかつキリの良い「100」を与えられているのは意味があるのだろうか。
「屍」は1期生で入ってきたと予想。
パッと思いついたのが「囚人」番号的なもの。
外国で囚人が入所する時に自分で番号、名前を持って写真撮影するアレ。
キャラと一緒に数字が出た時になんとなくそれが思い出した。
となるとこの学園自体が特殊なもので、その管理番号がこれらのものでないか。
「矯正施設」的な。または「実験施設」。
また深読みかもしれないけど、この寮の部屋内のスピーカーにすごい違和感ある。
廊下にもスピーカーあるのでそこからの放送で十分なのではと思ってしまう。
そういった意味で心休まる自分の部屋がある寮というより管理を行う「施設」という印象が強い。
「楽園鑾」という寮名はホスピスみたいだ。

■転校生とは
話の流れ的には「屍」になりそうだけど、どうだろうか。
それとも、その転校生が今回の話の「被害者」であり、「屍」はその身内とか?
明確に転校生を描かなかったということは相当重要な意味を持つと思うが果たして。
■天使島の変化について
体験版ver1、ver2共に黒のボックスを開けた後だと、天使島の全景に変化あり。
山の中腹に穴?が出来ている。平穏な学園生活の時が左のCGで、なんらかの事が起こった後が右のCGなのだろう。
黒のボックスを開けたことで島も真実の姿を見せた的な。

屋上からの景色や寮までの道が緑に囲まれており、穴の部分は主人公達の学園、寮の部分と推測される。

では何があったかと考えると、パッと思いつくのが飛行機事故くらい。
あんな山の中腹で地形が変形するなんてそれくらいしか思いつかなかった。
この「落下」っていうイメージもあるし。



しかし、それがどうシナリオに関わるかというと…分からん。
主人公の紹介に
「大事故にあった過去を持つようだが、本人はその事を“覚えてない”(略)そんな彼が背負っている罪とは――」
とあったので、事故とはこの天使島の外観変化に繋がるものと思う。
主人公達が乗っていた飛行機が墜落し食料が無い為に主人公は友人達を喰らって生き延びた。それが彼の罪であり、それがトラウマとなって本作は彼がありし日の学園生活という妄想の中へ逃げ込んだがそれが徐々に綻び始め…っていう妄想をしたが、そもそも冬山でないから遺体はすぐに痛むし、天使島で学園生活していたのにそこに自分たちが乗った飛行機が突っ込む訳もないので却下。
でも、クロノボックス=黒の箱=「ブラックボックス」で飛行事故を連想させるので悪くない考えかとは思っている。
■黒の箱の中にある「眼球」の色について
体験版ver1での「木ノ葉まころ」は黒の箱を開いた後だと存在しないことになっている。
※箱を開く前

※箱を開いた後

しかも最後には×をされて死んだことになっている。

これで黒の箱の中の遺体(眼球)はまころの物であると思いそうが、実際の眼球の色は「紫」であったので違う人物である。

逆に体験版ver2では志依のエロシーンがあり、
その後に黒の箱を開くので遺体は志依のものと思いそうなものだが、こっちの場合の眼球は「緑」

単純に考えると体験版ver1で出てきた眼球は「志依」、ver2では「まころ」のものかと思うが、そうした意味が分からない。

目の色がコンタクトなどで変えられているということの示唆?
■この世界について
先程の眼球のCGで主人公自身が「また」と認識しており、つまりは体験版ver1を把握しているということ。
体験版ver1で最後に消えたことになっていた「まころ」もver2で復活しているので、これが現実世界でなく主人公の妄想、または何らかの仮想世界と思われる。



数字やエラーの文字列。
また「これ」と発言する「屍」。
シミュレーションを行っているように思える。
つまりは今のこの話の流れは真実とも関係ない余興。
余興=「志依との恋愛話、エロシーン」を示唆?
主人公が勝手に行った都合の良い妄想に思える。

この妄想、仮想現実の中で主人公が記憶を取り戻すことで「犯人」を見つける物語?
そもそも何を行った「犯人」?被害者は死亡済?この「屍ね――」は作中の誰かから誰かに向けられた強い思いでして、企画最初期から自分の中でハマってました。この作品には犯人がいて、って事は被害者もいて、現段階で真相を解き明かすのは難しいのでかなりアンフェアですが、いずれ人知れず手がかりが足りてくると思うので、その機をお見逃しなく! pic.twitter.com/mY1UNtCMEJ
— 桜庭丸男@クロノボックス来春発売予定だよ (@sakuraba_maruo) 2016年11月29日
現段階で考えたのがこれくらい。
どこか正解の部分が多少あるのか。それとも明後日の方向を向いているか…。
発売が楽しみ。